先日某大学の大学院生に向けて90分間、仕事に関する講義を行いました。
某国立大学で理系の方に向けた講義で、たまたま知り合いを通じて講義を任されました。大学での講義だけでなく、時間の長い講義であれば比較的作り方は似ていると思います。
大学の講義と言えば、特徴的なのはその長さ。90分がデフォルトの長さなので、初めての人が長い講義を一人で話し続けるのは結構大変です。
しかし実際に終えてみると、きちんと準備していれば恐れるほどのものではなかったなという感想。講義が面白かったかどうかは…今後の検討課題です。
準備自体は結構入念に練ってから臨みました。
目次
参考サイト様
大学での講義は人生初だったので、講義の作り方の参考になるものを探していたところ、検索で次のサイトに出会いました。
[リンク]>>>これをやれば誰でもできる、プレゼンの作り方今回はこちらのサイト様の記事を参考に講義を構成しました。
マインドマップでアイデアの列挙・整理・選抜
1. 列挙
まずは「90分間」という長さを持たせるために何を話すのかを整理していきます。その前段階として、とにかくアイデアの数を出します。
上記参考サイトに従い、マインドマップを使って講義に関連しそうなワードを抽出しました。
思考整理のために初めてマインドマップを活用しましたが、実際とても使えます。むしろ講義のためだけでなく、日常生活にも使えそうだと感じました。
※ 実際に切り絵の展示会とかにも使っています。
[参考記事]>>>【図解】情報整理にオススメ! 「マインドマップ」の使い方2. 整理
マインドマップで話のネタになりそうなものを列挙したら、次はグループ分け。
小説もプレゼンも大事なのはストーリー構成。ダラダラと同じような話を続けたり、流れの中で同じ話が繰り返されると、聞いている方は「また同じ話かよ…」と聞く気が失せます。
プレゼンのストーリー構成は次に行うので、その前に出てきたアイデアを同じような話になりそうなものは丸で囲むなどし、グルーピングします。
3. 選抜
出てきたアイデアをネタが被らないようにグループに分類したら、次は実際に講義するネタを選抜し、話す順番を決めます。ネタの選抜数はスライドを何ページ作ればいいか? で変わるので、ページ数に関しては後述します。
プレゼンも小説のように「第1章、第2章、…」と話の起承転結をイメージし、使うネタを絞りました。私の場合は第1章、第2章で話の長さが極端に増減しないよう、ネタを選抜しました。もちろん、話の内容に被りがないか? なども念頭におきながらストーリーの順番、構成、話すネタを決めていきます。
プレゼンのストーリーの作り方
上のアイディアを元に、実際に私が作った講義スライドの作った流れを載せておきます。
1. 表紙 (1ページ)
最初に講義タイトル、自分の名前、所属 (企業名・役職など)、日付などの基本情報を提示。
2. 目次 (1ページ)
闇雲に講義を始めると「これからどういう話が始まるのか」「いつ終わるのか」「今どの辺か」という道筋が見えないので、目次は入れた方が良いと思う派。
ゴールも道中の位置も見えない旅は怖いと思いますので。
3. 自己紹介 (2ページ)
一応入れました。仕事とか経歴の他に、自分の趣味とか大学時代に興味があったことなどについても述べました。
これから話をする人物のバックグラウンドがわからないと、聞く側も不安になると思いますし、大学時代など親近感が湧きそうな話をピックアップして、ちょっとでも学生側と距離を詰めたいと思ったので。
4. 講義内容 (31ページ)
講義なので一番のボリュームゾーンですが。
もちろん、この中でも話の流れを4分割し (各項目でスライド7枚程度)、同じような話がダラダラ続かないよう気をつけました。項目と項目の間には「5. 雑談」を挟みました。
5. 雑談 (4ページ)
人の集中力は25分で切れると言われています。興味ないことならもっと早いでしょう。
参考書籍『パブリックスピーカーの告白』では、10分を一つの区切りとして話を終わらせるようにと書いてありました。
集中力をずっと持続させるのは不可能なので、間に休憩的な話を挟んで少しでも寝てしまう学生を減らそうと画策。なのでスライド7枚 (約14分) に1、2分程度の学生が興味を持ちそうな雑談を挟みました。
具体的には就職活動、将来設計、実際の働き方などの話は学生が興味を持ちやすいです。
6. まとめ (1ページ)
講義の最後には、その講義の内容をまとめたページを1枚挟み、総括としました。
スライドの枚数は何枚が適切か?
私の場合は90分の講演 (ただし質疑応答10分なので、実質80分) で40枚のスライドを作成しました。
この枚数には根拠があり、
- スライド1枚で1分〜2分話すタイムスケジュール
- スライド枚数は4、または8の倍数で構成
を元に決めました。
スライド1枚で1分〜2分話すタイムスケジュール
講演者の好みもありますが、一般的にはスライド1枚あたり1分〜2分程度で話すとちょうどいいと言われています。
スライドの内容にもよりますが、1枚1分のペースは早口になりがちです。
講演中は緊張から話すスピードが上がりやすくなるため、あえてゆっくり話すことを意識するため、スライド1枚2分ペースで構成しました。
スライド枚数は4、または8の倍数で構成
これは完全に好みなのですが、大学講義の場合、スライドを印刷したレジュメを学生に配る機会があります。
このレジュメは文字が読めるサイズに印刷されるため、多くの場合A4用紙に4つのスライドが入った形で印刷されます。
両面印刷だと、A4用紙1枚に8つのスライドが印刷され、配布されます。
そのためスライド枚数を4、8の倍数にすると、A4用紙を効率よく使用できるのです。
その他、ちょっと気をつけたこと
スライドは4:3サイズで作る
パソコンなどの画面の場合、パワポ作成時のデフォルトの「16:9」がちょうど良いです。
ただし大学の講義室のスクリーンは「4:3」がピッタリなところが多い印象。というわけで4:3にしました。
フォント「游ゴシック」18pt以上
パワポの基本フォント「MS P ゴシック」より「游ゴシック」の形が好きなので好みで選択。
Power Point 2016以降は基本フォントが「游ゴシック」になっています。
文字サイズは講義棟の後ろの人でも見やすいよう、最低18ptとしました。ただし図表タイトルなど、読まれなくても良い部分は適宜14〜16ptなども使用。
ページ右下にページ番号をふる
ページの右下に「1 / 40」などのページ番号をふりました。
「あとどれぐらいで講義が終わるか」というのが明確だと、学生さんの聴く気力が少し上がる気がしたからです。
練習回数、最低3回
スライドよりも大事 (?) なのは、実際に話してみること。
私の場合はだいたい3回ぐらい練習すると、台本を見なくても話せるようになるので、3回としています。ここは個人差があるでしょう。
台本は用意したが、本番では気休めに手元に置くだけ
本番中は話す方も緊張するもの。頭が真っ白になって何を話せば良いかわからない! というのが一番最悪のパターンなので、手のひらに収まるぐらいの台本を作ってきました。
ただ台本通り読んでは興ざめなので、実際に台本をそのまま読むことはありません。3回ぐらい練習して、台本を見なくても発表できるように練習しましょう。
ただ、あくまで心の保険として手元に用意して置くのはありだと思います。
プレゼンのために読んだ本の感想
これまでにプレゼンに関する本を何冊か読んできたので、最後に本の感想などを。
Appleの創始者で、プレゼンの天才スティーブ・ジョブズ氏のプレゼンの方法を分析した解説書。
ジョブズ氏の場合、スライドの内容より話し方、演出法がずば抜けて優れている (らしい) ので、正直素人には参考にならないかも…堀江貴文氏も「普通の人がジョブズ並みにプレゼンをうまくなろうとするのは、素人がオリンピック選手になろうと言っているのと変わらない」と申しておりました …。
ただ、読み物としては面白いです。
元マイクロソフト勤務、米国で有名なプレゼンターの書籍。
プレゼンの心構え、構成から「本番中に機材アクシデントが起きたら?」など、他ではあまり触れられないプレゼンのノウハウは面白いです。
もとは英語本の翻訳なので、文章に少し癖を感じます。
講義後に読んだ本ですが、理系学生に向けて講義するなら結構参考になる点が多いと思います。
もちろん、タイトル通り社内プレゼンに向けて準備した方にはとても役立つ1冊だと思います。
皆様のプレゼンの参考になる点がありましたら、幸いです。
では、そんな感じで!
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