2017年の箱根駅伝で3連覇を達成した青山学院大学陸上競技部。その強さの秘訣は監督、原晋氏の「組織作り」にあるとされています。
2015年から驚異の連覇を続ける青学は、突然強いチームに成ったわけではなく、連覇達成までに12年間の時間を費やしたそうです。勝てるチームは一夜にしてならず。チーム作りの基礎、個人が考えることの大切さ、指導者のあるべき姿に関して書かれた著書『勝ち続ける理由』(祥伝社) を読んで考えさせられたので、備忘録として残しておきたいと思います。
ちなみに原晋さんの本はここまで2冊読みましたが、こちらの方が印象に残りました。
本書の中で共感した4点
チーム作りのノウハウなどに関して沢山のアイディアが盛り込まれていましたが、その中でも特に覚えておきたいと思った部分は4点。
- 個人目標の管理と表現の大切さ
- 指導者が理論重視である必要性
- 好調不調のコントロール
- 時代に合わせた柔軟性
個人目標の管理と表現の大切さ
原監督はチームメイト一人一人が「自分で考えること」の大切さを繰り返しています。 指導者は「とにかくやれ」という指導法ではなく、相手の意見を引き出す指導法がメイン。
中でも青学選手の「目標管理」は有名で、個々人にA4用紙1枚分の目標管理シートを作らせ、廊下に張り出して全員が見えるようにします。
特に数字で書かせ、その数値を達成できるかということに重きをおきます。数字で書かせるという点が目標具体化のポイントになっているのでしょう。
指導者が理論重視である必要性
原晋監督は指導者として「文句言わずやれ」ではなく、「なぜこれが必要なのか」といった理論重視の指導を重視します。
どういうやり方があるかについては、インターネットで検索すれば情報は山ほど出てくる。つまり、物事の答えは、ネットの扉を開けば、いくらでも出てくるのだ。だから、それらのやり方のうち、どれを選ぶべきか、なぜその選択をするのかを教えるのが指導者の役割である。
『勝ち続ける理由』原晋 (祥伝社)
どこに向かいたいのかという目標 (ゴール) を自分がわかっていれば、その方法は調べれば大抵答えが出てきます。 大切なのは、適切なタイミングで適切な方法を試すこと。
ゴールに向かって
- 今すべきこと
- 1週間後にすべきこと
- 1ヶ月にすべきこと
- 1年後にすべきこと
どのタイミングですべきことかを考えることが大切で、適切なタイミングで適切な選択をさせることが指導者の役目。
適切なタイミングというのを理解するためにも、指導者は経験が必要であると述べています。今のうちから私も沢山の経験を積み重ねていきたいと改めて感じました。
好調不調のコントロール
選手の好調不調をコントロールするのは指導者の役目ですが、指導者は365日という長いスパンで、ここ一番という試合に選手の好調を合わせることが必要です。これはスケートの羽生結弦選手のコーチ、ブライアン・オーサーさんも同様のことを言っています。
- 365日、24時間、いつも好調である必要はない。
- 調子の波が下がっても慌てない。むしろ少し休んで回復をはかるべし。
1年間という長いスパンで自分の生活を見たとき、自分はどこに一番ピークを持っていきたいのかということを考えて自らのスケジューリングを行っていく必要があります。指導者の腕の見せ所がここにあります。
時代に合わせた柔軟性
陸上選手は「勤勉、真面目、ストイック」というイメージが強いですが、青学の原晋監督は選手のSNSやメディアを活用しながら、自分を外にアピールしていく大切さを説いています。テレビに出るも良し。勤勉な選手であることをアピールするよりも、周りに華やかな姿をどんどん出していく。そうすることで、陸上に興味を持つ人が増えれば、業界全体が活性化していくと述べています。
指導法も従来のスパルタ方式でなく、休憩中はチーム全体で和気藹々と楽しく、でも練習は真面目に。若い世代が「陸上界、楽しそう!」と思えるような業界を作ることが、発展へのヒントになっていくと考えられます。
組織作り、指導者などに興味がある人にとってはすごく面白く読める著書だと思います。おすすめです!
この本をこう活かしたい!
個人的に役に立つと思われる点と、指導者的立場で役に立ちそうな点2点あります。まだまだ指導者的な立場に立つ機会は少ないですが、将来的に人を指導する立場に立つことを想定しあげました。
では、そんな感じで!
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