勉強でもアートでも音楽でもスポーツでも、一番大切なのは「毎日コツコツ積み上げること」だと思っています。しかし「それができれば苦労しないよ!」と聞こえてきそうです。
そんな人でも努力を続けられるようになる一番の方法は、「とにかく習慣化してしまう」ことだと思います。
そんなわけで最近は、やった方が良いことの【習慣化】、言い換えると【仕組み化】に取り組んでいます。
最近個人的に超ハマっているので、今日はそのお話です。
目次
気づいたら「歯磨き」は習慣になっていませんでしたか?
歯を磨くという行為は、ほとんどの人にとって当たり前の行為だと思います。
でも小さかった頃のことを考えると、両親に手伝ってもらって、嫌々磨いていた人は少なくないのではでしょうか? 僕は面倒で嫌だった記憶があります。
ところが大人になった今となっては、「もはや食後に歯磨きしないと、気持ち悪い!」人が多数だと思います。
これもひとえに習慣化のおかげと言えます。
食後に3分も歯を磨くってすごい
よくよく考えてみると、毎日ご飯を食べたら3分間も歯を磨くって、すごいと思いませんか?
毎食後磨いている人なら1日10分弱、朝夕だけでも6分は時間を割いているということです。
これを筋トレに置き換えてみると、1日10分もトレーニングに時間を割いたら、1年間で見違えるような成果になること間違いなしです。
実は筋トレは週1回に2時間よりも、週に4回、10〜20分を続けた方が効果があります。
こうして考えると、1日10分でも続けることは非常に大きな成果を生み出すことになるはずです。
習慣化は「歯磨きぐらい簡単」なものから
ところが多くの人にとって、良い習慣をなかなか身につけられないのはなぜでしょうか?
理由の一つは、最初から力を入れ過ぎてしまって、すぐ疲れてしまうことだと考えています。
僕もこれに気づくまで、たくさん失敗してきました。
運動や勉強など当たり前にやった方が良いけど、続けられない場合は、そもそも習慣化のデザインがうまくいっていないケースが多いです。
じゃあ最初はどこからデザインすべきか?
それは「歯磨きと同じぐらいの手軽さを目指して、目標を立てる」を一つの目安にしています。
小さな習慣
2017年に発売された、スティーブ・ガイズの『小さな習慣』は、まさに習慣は小さくして、その代わり毎日行おう! というものです。
例えば
- 筋トレだったら、1日30分のトレーニングより腕立て伏せ1回から
- ストレッチなら、15分より開脚1回から
- 読書なら、1日30分より1日2ページから
- 英語なら、単語10個よりテキストを1ページ読むところから
など、とにかく小さくしてから習慣化することがオススメです。
また一度にたくさんのことを習慣化するよりも、1つずつ着実に身につける方が効果としては高くなります。
これについては次にご説明いたします。
なぜ習慣は小さく、少なく身につけるべきか?
習慣化の脳の仕組み
実は僕らが普段、日常で行なっている習慣と、「運動しよう!」のような「○○しよう!」という意志決定力 (will power) では、処理している脳の領域が異なります。
例えば記憶を失った人でも、しゃべる、ご飯を食べる、呼吸するなど、生命維持に関わる行為は忘れません。これは記憶と生命維持に必要な処理は、脳の異なる領域だからです。
呼吸や心臓を動かすなど、生命維持に関わるものは脳幹と呼ばれる部位にあります。
一方、生命維持には関係ない「運動しよう」「勉強しよう」など、個人の意思で実行されるものは前頭前野で処理されます。
しかし前頭前野はエネルギー消費が多い部位です。
それと比較して習慣化された行動は、脳の大脳基底核というエネルギー消費の少ない部分で処理されます。
すなわち習慣になっている行動は、脳の大脳基底核という省エネルギーな部位で処理されるため、疲れを感じることなく実施することができます。
習慣化は少なく行う
「習慣は歯磨くぐらい簡単なものからはじめる」と同じくらい大切なのが、習慣は少なく始めることです。
いい習慣を身につけようと思うと、人は「早起きして、運動して、勉強して、夜は早く寝る!」のように、いろんなことを一気にやろうとします。
しかし慣れていないことを一度にやろうとすると、それこそ脳の前頭前野が疲弊してしまいます。
そして脳が疲弊すると、2日目続けられない負のスパイラルに陥ります。
なので習慣化にあたっては、一つ一つ着実に身につけた方が結局効率がいいと言えます。
- 早起きする
- 夜早く寝る
- 寝る30分前からスマホを見ない
- 1日1回腕立てをする
- 1日5分読書をする
などなんでもいいので、まずは自分のためになる良い習慣を一つに絞って、身につけることをオススメしています。
習慣化にかかる日数
先に述べたように、「○○したい!」と思うものがある場合、前頭前野より、大脳基底核を使う方ことが重要となります。
しかし脳が「これは大脳基底核で処理しよう!」と思うまでには、残念ながら時間がかかります。
学生たちに新しい習慣を1日1回づつ繰り返させたところ、習慣が身につくまでの平均時間は66日。最短で18日、最長で254日の開きがあったらしい。
というと、「でも21日より短い期間で習慣になる場合もあるじゃん!」といった反論が来そうですが、残念ながら18日間で身についたのは「朝一杯の水を飲む」ってな超簡単なものだったそうで。当然ながら、エクササイズとか勉強みたいな複雑な作業ほど、身につくまでの時間は長かったとか。
[引用] パレオな男 | 「21日間続ければ何でも習慣になる!」……わけじゃないらしい
こちらはよく見かける習慣化の科学的データで、一番有名なものを引用したものにです。
これまで「習慣化にかかる日数は21日」というのが通説ではありましたが、最近では「最短で18日、最長で254日」と一般的に言われています。
平均が66日なので、まずは2ヶ月続けるのを最初の目標にするのが良いかもしれません。
なおここでのポイントは「18日間で身についたのは「朝一杯の水を飲む」ってな超簡単なものだった」という点です。
すなわち習慣は簡単なものほど身につけるには優位! ということがわかります。
小さく始めると、意外と続く
身につけたい習慣を小さく始めるもう一つの利点は、「小さく始めると、その後思ったより続く」ことです。
例えば僕は、毎日500文字の文章を書くようにしています。これは500文字でも50文字でも、目標は自分で決めてかまいません。
そしてとりあえず500文字書くために、パソコンをつけ、椅子に座り、キーボードを打ってみます。
すると最初は辛いものの、打ち始めたら思ったよりスラスラと打ててしまうケースが多々あります。
500文字書いて終わりにするつもりが、無意識のうちに1000文字くらい書いていることもたくさんありました。
実は勉強にしてもスポーツにしても、やり始める一番最初に労力と意志力が消費されます。
「最初は億劫だったけど、やり始めたら意外と早く終わった!」という経験は誰にでもあるのではないでしょうか?
小さな習慣は始めるエネルギーを小さく、始めたら意外とサクサク進められるという性質をうまく活用した戦略とも言えます。
まとめ
やった方が明らかに良い習慣を身につけたいと思うのは普通のことです。
しかし習慣を本当に身に着けるには、脳の仕組みをうまく利用することが大切です。
そのために
- 習慣は小さくデザインする
- 習慣は一つ一つ焦らずに身に着ける
- 習慣化には最短で18日、最長で254日かかる
- 最初のアクションが一番大変なので、そこだけ頑張る
この4つを覚えておくだけで、だいぶハードルは下がると思います。
ぜひ試してみてください。
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