世の中には勉強よりも楽しいことがたくさんあります。なのでよほどの覚悟や目的意識がないと、習慣的に勉強を続けるのは難しいかもしれません。
ただ年末に読んだある学習本が、僕にとって非常に面白く、「うわー、これは早く実践したい。勉強したい!!」とさせてくれたので、こちらでご紹介させていただきます。
最新研究からわかる 学習効率の高め方
それがこちらの『最新研究からわかる 学習効率の高め方』です。
1巻は無料で読めます。2巻移行はBOOTHでの購入になります。
この本の面白さ
この本の面白さは、なんといって「本当にその学習法は効率が良いのか?」を、最新研究 (論文) を元に徹底的に考察していく点です。
「え、科学的根拠に基づいた学習本なんて他にいくらでもあるのでは?」
確かにたくさんあります。僕自身もこれまで紹介したり、お世話になってきました。
ただこの本は、既存の学習効率本と一味異なり、結論を導くまでの思考の過程が非常に興味深いです。
例えば多くの学習本では、「●●という論文がある → それを元にすると○○が効率のいい勉強と言える」といったように、根拠と結論を明確でわかりやすく書かいています。
一方『最新研究からわかる 学習効率の高め方』では、一つの結論を導くまでに、複数の論文を組み合わせ、徹底的に思考を重ね結論を導き出します。
「●●という論文がある → それを元にすると○○という勉強が効率いいと言える → 果たして本当にそうか? 別の論文では△△というデータがあって…さらに別の論文では…で、これらを組み合わせると、おそらく××という結論に行き着きそうだ」と、一つのテーマに対して深堀りしていきます。
結論だけ欲しい人には不向き
反対に、「思考の過程なんていらない! 結論だけさっさと教えて欲しい!」人には、こちらの本は全くオススメできません。結論までの過程が非常に長く、つまらなく感じてしまうでしょう。
この本は (おそらく)、
- 情報が溢れる世の中で、自分に必要なデータを導く過程を伝えたい
- 1つの情報だけで早急に結論を出すのではなく、複数の情報を組み合わせ、解き明かす方法を学んでもらいたい
といったメッセージを、伝えたかったのかな? と感じます。
本で紹介されている結論ももちろん有用ですが、むしろ結論が出るまでの過程が意義深い本と言えます。
ただしその分、結論が出るまでがとても長いので、これを冗長に思ってしまう方には不向きといえます。
紹介されている勉強ツールが、とても有用
上で述べたように、本書は論文中のデータを読み解きながら、ディスカッション形式で進みます。結論にたどり着くまでにはそこそこ時間がかかります。
ただ得られた結論を踏まえて、「以上の理由から、勉強にはこのツール (アプリ、ソフトウェア、サービス) が最適と思われます」で紹介されるものがどれも秀逸。
ツールを紹介するまでの過程が (説明についてこれた読者には) 納得いく理由なので、「これを使えば、自分も効率よく勉強できるかも!」と希望がわきます。
実際に本書で紹介されていたAnkiというフラッシュカードアプリを、数学に応用した例。
さっそく使ってみましたが、最初はなかなか効率的な使い方がつかめませんでした。
「こういうやり方が効率良いかな? つぎはこっち方法を試してみよう!」と、絶賛格闘中です。
受験勉強と違い、自分のペースで好きにできる勉強は、過程の試行錯誤や創意工夫も醍醐味の一つとも言えます。
世の中にはたくさんの人が効率的な勉強法について情報を共有してくれていますが、その中から自分に合うものを選ぶことは、本人しかできません。
また選んだ方法だけに固執するより、「こっちのほうが効率良いかな?」と、自分の勉強法を常にアップデートするのも重要です。
その過程を楽しめれば、きっとステキな勉強ライフが待っているのではないでしょうか。理想論かもしれませんが…。
勉強を楽しめるようになるまでは、長い時間が必要
多くの方は勉強があまり好きな方ではないと思います。僕も正直にいうと、最初はあまり好きではありませんでした。
ただ昨年英語を (自分なりに) 猛勉強してから、「あれ? やってみたら意外と楽しいな。役に立ちそうだし、何より達成感あるよね!」とここ数年で、勉強に対する意識がかなり変わってきました。
勉強が楽しめるようになることは、あまりお金をかけず、長く楽しめる趣味が手に入るようなもの。
勉強の楽しさを実感できるようになるまで、実に30年近い月日を費やしてしまいました。まぁ、この先あと80年ぐらい人生は続きそうなので、焦らずのんびり、勉強ライフをエンジョイしていきたいと思います。
どうすれば効率的に勉強するのか? そもそもなぜ勉強するのか? が気になった方にオススメです。
2021年、新しいことを学びたい方にオススメです。
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