レーザーカッターの進歩に切り絵作家としてどう向き合うか




先に述べておきますと、今回の記事に明確な結論のようなものはありません。

僕自身考え中です。

先日Twitterで見かけた記事。

上の折り紙はレーザー加工技術によって、切り絵と同じような模様が彫られた折り紙なのですが、このレーザーカッターというのが切り絵界ではなかなか曲者な存在なのです。

 

レーザーカッターとは

www.paper-arts.jp

レーザーカッターは、紙に高温を伝えて焼くことで模様を描き出す技術です。今の所、文房具屋などで綺麗な形に切られたポストカードなどはこの技術を駆使して作られていると考えられます。

今まではレーザーカッターの技術力が追いついておらず、Twitterの記事に示したような細かい模様までは再現できていなかったのですが、近年の技術革新によって、かなり細かい模様まで再現できるようになっています

さぁ、そうなると問題は自らの手で紙を切っている切り絵作家たちの存在です。どんなに細かい切り絵ができたとしても、「それレーザーカッターでやればもっと綺麗に、早く、たくさんできるじゃん?」と言われてしまう可能性があります。

特に幾何学模様を得意としている方は、正確に切り抜く技術的には、機械に及ばない可能性も出てきてしまいます。

下絵さえかけば、自分で切らなくても切り絵にできてしまう。そうすると、今まで絵描きさんと切り絵作家で明確に線引きされていた点がかなり怪しくなってきます。

 

写真の加工技術

tarohere.com

さらにデータ解析技術の進歩により、上の記事で紹介されているような写真から切り絵風の画像データを作成することが容易にできるようになりました。これとレーザーカッターを組み合わせると、コンボで写真切り絵が簡単に量産できます

なるほど。僕のように写真から切り絵を作っている人にとっては、いつ自分の技術が機械にとって代わられてもおかしくないということです。

これも写真かと切り絵作家、今まで別物と考えられていた二つの境目がなくなってしまうのかもしれません。

 

人にしかできない切り絵とは

そこで気になるのは「人にしかできない、レーザーカッターにはできない技術」

下絵さえかければ、切り絵ができてしまう。

写真さえ撮れれば、切り絵ができてしまう。

もう人の手でできることは、だいたい機械にもできて当たり前。そんな世の中になってきているのかもしれません。

その中でも人にしかできない切り絵とはなんでしょうか?

一つは0.1 mm未満の細い線

これは、レーザーカッターによって紙が焼き切れてしまうため、まだ機械では実現できていない技術だそうです。

多少ムキになって、0.1 mm切ってやろうとすることもあります。

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もう一つはカラー切り絵かなと思っています。

これは裏からカラー用紙を貼るという細かい作業が要求されるので、機械にはできない作業だと考えています。

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他にもあるのでしょうか…? もし思いついた方がいらっしゃいましたら教えてください。

技術の進歩とともに、昔の技術が後退していくのは致し方ない点ではあると思いますが、そこはモノづくりにこだわるものとしてなんとか打開策を見つけていきたいところだと考えています。

人だから作れるもの。

これが新しい自分の中のテーマになっていくのかもしれません。

では、そんな感じで!



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