前回アクリルフレームへの額装方法をご紹介致しました。
今回は切り絵の影を美しく魅せる立体額 (アートボックス) への額装方法をご紹介致します。
[目次]今回はこちらの切り絵を立体額へ額装していきます。
ポケットの作成
四隅用のポケットの作成
まず切り絵を額に固定するようのポケットを作成します。ポケットを使う意味は、切り絵に直接のりなどを使って固定したくないから。切り絵を滑り止めやのりから保護しつつ、フレームに固定するために使用しています。
A4サイズのように小さい切り絵の場合は、上のような小さめのポケットを使用します。
ポケットの設計図のテンプレートを作りましたので、お好みで下記リンクよりダウンロードしてご自由にお使いください (切り絵に合わせてサイズを3種類用意しました)。
横を抑えるポケットの作成
作品の形によっては、上のようなポケットも使用します。こちらは四隅を抑えるためではなく、左右へのブレを防ぐために使います。後で詳しく述べますね。
設計図は上のようになっています。単純な形ですので、特にテンプレート等は用意しておりません。
ポケットのサイズに合わせて、額装用の滑り止めマットをカット。滑り止めの最小単位に合わせてポケットの形を決めています。
額装作業
実際に額装作業に移っていきます。
私が普段使用している立体額はこちら。後ほど詳しくご説明致しますが、紙をアクリル2枚ではさみ込む構造になっている点がポイントです。
アクリルが2枚付属していない場合は、少し面倒ではありますが自分でサイズ通りのアクリルを注文するか、 透明プラバンなどを購入し、必要なサイズにカットして使用する必要があります。
切り絵の設置
まずは前面のアクリルに切り絵を設置する作業です。額の前面のアクリルフレームをマス目などの目盛りがあるマットの上に置きます。
アクリルが透明でわかりにくくなっていますが、すでにカッターマットの上にアクリル板が置かれている状態です。
ポケットのはめ込み
切り絵のおもて裏に注意しながら切り絵をセッティングし、任意の位置を決めたら四隅にポケットをはめていきます。私はたまに後ろ前を間違えます…。
四隅用のポケットが形によって使えない場合、先ほどご紹介した四角いポケットを使用して、動かない位置に設置し固定します。
上の作品の場合、4箇所を固定することにしました。この辺を押さえておけば、輸送中などに額からずれる可能性は無いと思います (多分。今のところ、この方法で特に問題なし)。
滑り止めの設置
ポケットの上にからポケットの形に添ってカットした滑り止めを設置します。
写真ではわかりづらいと思いますが、既にポケットの上に滑り止めを載せた状態です。
アクリル板での挟み込み
最後にもう一枚のアクリルで切り絵を挟み込んで固定していきます。
このとき、風を起こしてズレないよう注意しながら、2枚目のアクリルで切り絵を挟み込みます。
静電気・ホコリへの対処法
アクリル板の静電気で切り絵がズレてしまう場合は、アクリル板を薄めたコンディショナーで洗うことで、静電気の発生を抑えることができます。
まずは中性洗剤でホコリを落とします。
コップ1杯の水にコンディショナーを1プッシュほど溶かしたものを用意し、アクリルフレーム表面を優しく洗いながら馴染ませます。このとき研磨剤が使用されているスポンジでこすらないように! アクリルは非常に傷が入りやすい素材なので、ゴム手袋をした素手などで優しく洗っていきましょう。
よく水を流したあと、水気を拭き取ります。
フレームへのはめ込み
最後に切り絵を挟み込んだフレームを額に収めます。
背面には白い画用紙を置き、ライトで照らしたときに影が投影できるようにしています。普段は
- 黒い切り絵→背面は薄い色
- 白い切り絵→背面は濃い色
のようにしていますが、背面の色によっても作品の印象は変わってきます。お好みの色を探してみてください。
額装が完成しました!
立体額の断面図
今回の額装の断面図をみると、上のようになっています。
先ほどご説明したように、立体額の構造上、紙を挟みこめないときは透明プラ板などをサイズにカットし、切り絵を挟み込むと良いでしょう。
最後に、私がいつも使用している立体額 (アートボックス) は紐を通す場所がないため、三角吊り金具で自作しています。
立体額への額装は少し大変ですが、影が投影されて切り絵が美しく見えます。
ぜひ挑戦してみてください。
では、そんな感じで!
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