いろいろトラブルに巻き込まれながらも、初めての切り絵のイギリス出展が無事に終わりました。作品はまだ日本に返ってきておりません。到着まで2週間ぐらいかかるでしょうか。
さて、今回は切り絵を制作するようになって海外出展、特にイギリスへの出展を志したきっかけに関して書こうと思います。
イギリス建築への強いこだわり
5年ほど建築切り絵をやっていますが、その間イギリス以外の建築物を切ったことは1度のみです。ドイツのノイシュヴァン・シュタイン城の切り絵を作りました。
これ以外の建築切り絵は全てイギリス建築です。特にゴシック建築と呼ばれる様式の建物が大好きで、基本はイギリス・ゴシック様式の建築作品ばかり作っています。
このこだわりのきっかけは幼少期、具体的には10歳の頃に遡ります。
当時ハリーポッターの映画第1作、『ハリーポッターと賢者の石』が公開され、日本中にポッタリアンと呼ばれる熱狂的なファンがいました。
私も例に漏れずハリーポッターにどハマりしており、原作本は何度も読み返し、DVDも擦り切れるほど見ていました。特に舞台となるホグワーツ城の秘密に満ちた舞台設定が大好きで、自分が魔法使いになることを夢見る幼少期を過ごしていました。
前回ロンドンに行った際には、ワーナーブラザーズスタジオを訪れ、年齢を忘れて一人興奮していました。
ゴシック建築「グロスター大聖堂」に感動
それから5年が経過した高校1年生の頃、夏休みを利用してイギリスに2週間の語学研修でホームステイしていました。
午前中はインターナショナルスクールで英語の勉強、午後は観光バスで観光名所を回るというプログラムでした。そのとき訪れたのがグロスター大聖堂と呼ばれるイギリスの有名なゴシック建築の大聖堂です。
初めてグロスター大聖堂を見たとき、感動で言葉を失いました。人は本当に感動したとき、言葉を発せられなくなるんだなぁ…なんて考えていました。あの衝撃を超える体験は今のところありません。それだけ私にとって影響の大きい建築物でした。
廊下もすごい。ゴシック建築独特のアーチ状の柱が並んでします。ここは『ハリーポッターと秘密の部屋』で廊下シーンの撮影に使われた場所としても有名です。
イギリス建築切り絵の開始
ハリーポッター → イギリス建築という流れできて、切り絵とゴシック建築が結びついたのは20歳の頃です。
お金がかからず、インドアで気軽に楽しめる趣味として切り絵を始めました。当初は蝶や、ポートレイト、動物などををモチーフとした作品を作っていましたが、インターネットで他の方の切り絵作品を見るうちに「もっとオリジナリティーの溢れる作品を作りたい」と思うようになりました。それがゴシック建築と切り絵を掛け合わせた作品を作るようになったきっかけです。
第1作目の建築切り絵はロンドンの顔、Big Benと呼ばれる時計台の切り絵です。制作期間は1ヶ月程度だったと思います。
ここまで細かい切り絵に着手するのは初めてでしたが、切っていて辛いとか苦しいとかは全く感じませんでした。もともと創作活動 (絵を描いたり、工芸作品を作ったり) が好きな性分だったことに加え、建物独特の直線などをビチッと切るのが好きな几帳面な性格が、建築というテーマの切り絵にすごくマッチしていたのだと思います。
『Big Ben』を作ってからは、ひたすらイギリス建築をテーマとした切り絵を制作。1作品あたりだいたい1ヶ月〜半年ほどかけて制作しました。もちろん、イギリス建築にはまったきっかけである『グロスター大聖堂』も作品にしています。お気に入りの作品です。
切り絵をイギリスの人が見たらどう感じるか?
さて、ここまでイギリス建築にこだわった切り絵を数年間にわたり制作してきましたが、ふと「このイギリス建築の切り絵をイギリス人が見たら何を感じるだろうか?」という興味を持ち始めました。
もともと暇つぶしで始めた切り絵ですが、だんだんと個人での趣味から展示会へと出展、さらには自らの個展の企画、開催を行うようになってきたころ、さらなる野望が生まれてきました。「海外の人にみてもらいたい。特に作品のテーマの本場、イギリスにこの切り絵を持っていったらどんな反応をしてもらえるだろう?」と考えるようになり、イギリスでのアート展に出展したいと思うようになりました。
イギリス出展を目指した理由ときっかけ
ここまでの経緯をまとめると、次のようになります。
→ ハリーポッター好き (10歳)
→ イギリス建築好き (15歳)
→ 切り絵好き (20歳)
→ 建築切り絵好き (21歳)
→ イギリスの方に見てもらいたい!
→ イギリスのアート展に出展しよう
もとを辿ると、10歳の頃にハリーポッターにどはまりしていたことがきっかけとなっています。
そして「イギリスの方に作品を見てもらいたい!」と思ったことが出展を志した理由です。
人生の中では何がきっかけとなって挑戦が生まれるかわからないものだなぁ…とつくづく思います。
では、そんな感じで!
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