成功例は一つに絞れないが、失敗例にはだいたい共通点があるから。
目次
受かる方法より、落ちる理由の方が本質的な理由である
先日「簿記の合格方法」という記事を書きました。
[参考リンク]>>>【簿記2級】合格率13%だったけど、独学3ヶ月で合格した勉強方法実はこの記事で僕が一番伝えたかったことは、「受かる方法」ではなく、「落ちる方法」でした。
読んでいない方のために要約すると、試験に落ちる根本的な理由は「過去問などの問題演習不足」にあります。
「うまくいく方法」の方が、人の興味は引きやすい
基本的に多くの方は、「どうすればうまくいくか?」に目がいきがちです。
- どうすれば勝てるか?
- どうすれば試験に受かるか?
- どうすれば貯金が増えるか?
- どうすれば起業がうまくいくか?
- どうすれば人と良好な関係を築けるか?
本屋さんに行くと、数多くの自己啓発書や、合格体験記が並んでいます。しかしその多くは「成功する方法」について述べられたもので、実は「失敗する方法」は学ぶ機会が極端に少ないと気づきます。
本の出版も商売なので、「絶対に失敗する方法!」では誰も読みたいと思わないのでしょう。なかなか失敗例を見られる機会がないのも、ある意味当たり前かもしれません。
ところが失敗例に目を向けず、「成功する方法」ばかり探すうちに、「成功例は一つに絞り込めない」と思うようになりました。
お金が絶対に貯まらない方法
例えば、「お金が貯まる方法」について述べられている本があったとします。
ある本では「クレジットカードを使いましょう! ポイントもつくし、記録が残るので家計簿が捗ります!」と書かれています。
一方、別の貯金本では「クレジットカードは使ってはいけません! お金を使っている感覚が薄くなり、散財しがちです!」と書かれています。
ではこのうち、どちらが成功する方法と言えるでしょうか?
僕の考えでは、どちらも成功すると思います。ただし、その人に最適な方法を選べればのお話ですが…。
逆に考えてみます。
貯金する上で「絶対に失敗する方法」はなんでしょうか? 実はこの質問には、シンプルな解が存在します。
それは「得られるお金より、使うお金の方が多い」です。
どんなに稼いでも、稼ぎより使う額の方が多ければ、絶対にお金は貯まりません。そしてこの失敗例は、お金を貯められない多くの人に共通するものです (自分もあまり偉そうなことは言えませんが…)。
まずは絶対に失敗する方法を見つけ、潰す
そんなわけで、成功する方法は人次第な点が多く、必ずしも1つに絞られるものではありません。一方で失敗する方法は共通点を見つけやすいことが多いです。
例えば【東大に合格する方法】で検索すると、「私はこの方法で東大に受かりました!」といった数多くの方法論が見つかります。
一方勉強で失敗する唯一の方法は、「演習不足」に収束する可能性が高い。
勉強方法は人によって合う・合わないがありますが、まずは手を動かして学んでいるうちに、自分なりの方法が見つかります。
それを【勉強法探し】ばかりに時間をかけてしまうと、演習に回す時間が足りなくなり、準備不足になってしまいます。
以上より、実は成功する方法よりも「絶対に失敗する方法」を探し、集中的に潰した方が、結果として効率的だったりします。
国語の予備校講師、林修先生は自著『林修の仕事言論』で「負ける原因は主に三つである」と述べています。
仕事は勝負だと思ってきたなかで、主な敗因は三つなのではないだろうか。と考えています。
それは「情報不足」「慢心」「思い込み」。
林修, (2016),『林修の仕事原論』, 青春出版社
そして失敗について語るとき、僕が絶対に外せないと思う本があります。
第二次世界大戦で、日本軍が敗戦した理由を学問として分析し、まとめた『失敗の本質』です。多くの失敗する方法に通じるものがあり、オススメの本です。
そんなわけで、僕は何かに取り掛かる際に「まずは絶対に失敗する方法は何か?」を考えるようにしています。これを抑えておくと、何事においても戦いやすくなるからです。
なぜ歴史を勉強するのか?
歴史上の失敗は繰り返されるから。
最近歴史に興味をもち、新たに勉強し直したいと思っています。
なぜ勉強しようと思ったか? それは歴史上の失敗例を学べば、自分も失敗を避けられる可能性があるからです。
お金の歴史でいうと、実は人類は何度もバブル崩壊を経験しています。
- オランダのチューリップバブル
- 平成のバブル崩壊
- 2010年のアメリカのサブプライムローン問題
- 仮想通貨バブル崩壊
これらはチューリップ、土地、仮想通貨と一見異なるモノに見えますが、実のところは常軌を逸した価格高騰が原因で、「値上がりは一生続く」という思い込み (人の感情) に起因します。
歴史上、人はなんどもバブルを経験していますが、同じ過ちを繰り返しています。数多くの失敗例を学ぶことは非常に有意義だと思っています。
そんなわけで、最近は改めて歴史を勉強し直したいと思っています。あ、勉強仲間を随時募集しております。
失敗を学べるオススメ本
以上より、僕は何かする際には「絶対に失敗する方法」を考え、それを避けるよ方法を考えることが多いです。
最後に、人の失敗から学べる貴重なオススメ本をご紹介しておきます。
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