大塚家具の不振の原因は時代か、方向性か?




大手家具メーカー、大塚家具社の不振が連日、ニュースの経済面で報道されています。

現在の社長、大塚久美子氏と元社長大塚勝久氏との”お家騒動”が騒がれたのが2015年です。現在の社長になってから3年が経過していますが、未だ復興の兆しは見えておらず、最近は「いよいよピンチか」ということで話題になっているようです。

現在の社長、大塚久美子氏は一橋大学経済学部を創業後、外資系コンサル会社で経験を積まれています。会社経営に関しては僕などよりも数倍の知識・経験があると思いますが、素人の僕自身の考えを述べさせていただくと、大塚家具社の不振は、

  • 高級家具路線が時代に合っていない
  • ターゲットが不明瞭
  • 優先順位がはっきりしていない

という3つが要因だと考えています。

高級家具路線が時代に合っていない

[関連記事]>>> 大塚家具もパイオニアも、ビジネスモデルが今の時代に合わなくなっただけの話

一つ目は、こちらの記事でも述べられている「時代への変化の遅れ」です。

家具を買い換えるときは、新築かリフォームだと思うが、景気に左右されるとはいえ、平成6年から半減してしまっている。さらに高齢化が深刻。70過ぎてリフォームして家具まで買い換える富裕層はそうそうはいない。

若い世代の中で「家具を買う」と考えると、真っ先に思いつくのがニトリ社です。

ちょっとおしゃれで、ニトリよりも高級路線なら無印良品かイケア社というイメージで、今の若い人にとって「高級家具を買って、一生使う」とイメージを持つ人は少数派だと思います。

ただ「安く買って、いざとなったら捨てる」という路線の家具屋さんでは、ニトリ社が業界において圧倒的な力を持っています。

大塚家具社は社長交代と同時にニトリ路線 (会員制撤廃、多店舗展開) へと飛び込みましたが、もともとかなり厳しい戦いであったと予測できます。

一方で「家の購入と同時に高級家具を買い、一生使う」というイメージを持つ方は現在の高齢者層に多いイメージで、少子高齢化の日本では、高級路線もニトリ路線もどちらも先細りの厳しい道であったと考えられます。

ターゲットが不明瞭

上の「時代にあっていない」と重なる点ですが、昨年度の有価証券報告書 (企業の作成する外部資料) を見る限り、大塚家具社が「誰に何を売ろうとしていたのか (価値を与えようとしていたか)」がいまいち不明瞭です。僕の中では「ターゲットが定まっていなかった」イメージがあります。

[リンク]>>>大塚家具 | 2017年度有価証券報告書

中で述べられている大塚家具社のビジョンでも気になる点があり、

  1. 専門店・小型店による多店舗展開
  2. プロフェッショナルによる提案サービスを前面に
  3. 商品とサービスのオムニチャネル化
  4. 購入だけではない、新しい選択肢のご提供
[引用]>>>大塚家具 | 経営ビジョン

1 → 圧倒的多店舗のニトリ社との差別化は?

2 → こちらは有料サービスですが、無印良品だと相談サービスが無料ですが?(MUJI SUPPORT)

3 → EC (ネット通販) では、「安く買いたい」がニーズなので、高級路線とはミスマッチでは?

4 → 下取り、リユースはメルカリ社に市場を持って行かれている気が…

ということで、ビジョンを見ていても「誰にどんな価値を与えたいか」がつかめませんでした。

優先順位がはっきりしていない

[リンク]>>>大塚家具、再浮上に欠かせない「人心」の重み

こちらの記事を読んで、「現場 (従業員) を重要視していないのでは?」と感じました。

直近3カ年の有価証券報告書を見ると、2015年12月期に484万6000円だった従業員の平均年収は、2017年12月期には428万8000円まで下がりました。わずか3年で55万8000円。1割超のダウンです。

1株純利益が僅少または赤字にもかかわらず配当を続けていたこと自体も問題ですが、この配当の支払いが従業員を苦しめた可能性は否定できません。

株主の配当を重視し、現場で働く従業員を軽視していた感が否めないという印象です。

お客様、従業員、株主…経営者として「あちらを立てれば、こちらが立たず」という苦しい状況かと思いますが、中でも「自分たちがどの順番に大切にするか」を全面に出してもらいたかったと思います。

特に昨今はSNSの発達で情報が広がりやすく、「現場の従業員を重視しない企業は、価値を認められない」という傾向にあります

今は退任されてしまいましたが、僕が尊敬する経営者、元カルビー社 (現ライザップ社会長) の松本晃氏がいた頃から、2017年度のじゃがいも不振時以外増収、増益していたカルビー社では、この優先順位が明確でした。

「顧客・取引先から、次に従業員とその家族から、そしてコミュニティから、最後に株主から尊敬され、賞賛され、そして愛される会社になる」

(2018年6月末現在)

[引用] カルビー | コーポレートガバナンス

「顧客・取引先 > 従業員 > 株主、この順番で大切にします」ということを会社として発信しています。

「お客様が一番大切。次に従業員を大切にして、頑張って仕事をしてもらえれば、結果として株価は上がり、株主も喜ぶでしょう」という論理展開が明確で、とてもスッキリしています。

一方の大塚家具社は、「誰を大切にすれば、誰が幸せになるのか?」というのが見えていないような気がします。

うーん、社会って難しいですね…。



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