切り絵にしかない特徴
世の中にはたくさんの表現方法があります。中でも絵や写真は人気が高く、多くの人が興味を持って学んでいます。
それと比べると、切り絵はマイナーな表現方法かもしれません。
でも、切り絵には絵や写真にはできない表現が詰まっていて、見るのもやるのも面白い点がたくさんあります。
- 影が活きる
- 白と黒、2色のシンプルさ
(※ 中にはカラー切り絵もあります) - 線のシャープさ
僕が考える切り絵の代表的な特徴は、この3つです。
影が活きる
絵にも写真にもできない一番の特徴は、切り絵独特の影を魅せることだと思っています。
実際に僕が使用しているフレームは、背面と切り絵との間に距離があるため、スポットライトを照射すると背面に切り絵の影が浮きます。
この影の美しさは、切り絵ならではの得意表現と言えます。
僕のように、切り絵が実物の建築をモチーフに制作されていると、写真と勘違いされることがよくあります。
写真ではなく、切り絵という特徴を活かした展示が必要だと心がけています。
白と黒、2色だけのシンプルさ
シンプル イズ ベストという言葉はわかりやすいので僕は好きです。
僕の切り絵は1枚の紙を切って作る (全てつながっている) という特徴があり、そのうえで白と黒だけで絵を描いています。
この「つなげる」という点に各々のテクニック、個性が見える点が面白いところで、「どこを黒く残し、どこを白く切り抜くのか」という視点も人によってこだわりが違うので、比較すると面白いです。
カラー切り絵はカラー切り絵で、絵の具では出せない特有のべた塗り感が出ます。
デジタル絵のコピーと違い、着色に使う紙を和紙や折り紙など自由に選べるため、作品の質感を表現する方法も様々です。
切り絵独特の線のシャープさ
線画では出せない、切ったときのシャープさも切り絵の魅力の一つと考えています。
彫刻刀で削って作る版画にみられる直線様のシャープな形は、線画のように滑らかに描くことはできません。
しかし独特のシャープさとして、絵に味や深みを生み出します。
線の細さについても、切って描く以上、常に一定の太さで描けるわけではありません。
上の作品では、一様に見えて、線の細さが異なります。
線の太さを変えることで作品に凹凸が出て、奥行きができるために立体的に見えます。
カッターの持ち方や使い方によって、線の太さがバラバラに出たり、意図的に太さを変えることで表現に深みを出せる面白さがあります。
作品の制作に使っている道具は、こちらで紹介しています。
まとめ
切り絵の面白いところはたくさんありますが、中でも僕が推しているのは3点。
- 影が活きる
- 白と黒、2色のシンプルさ
(※ 中にはカラー切り絵もあります) - 線のシャープさ
今は切り絵の図案集もたくさん出ているので、みなさまも切り絵という創作を楽しんでみてください!
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